クリニック新規開拓営業は商材の導入条件から始める

クリニックへの営業先を先に大量収集すると、連絡先は増えても提案理由がそろいません。営業先の選定では、自社商材が導入される場面を地域・開設時期・診療機能・施設属性へ分けてから候補を探します。

施設数の多い地域ではなく、商材の導入条件に合う施設が多い市区町村から着手します。

最初に、各条件を候補の絞り込みや提案テーマの決定にどう使うか決めます。

切り口主な確認項目優先順位の決め方接触準備
地域所在地、都道府県・市区町村、自社の訪問・導入支援範囲対象施設がまとまり、営業担当者が対応しやすい地域を優先する訪問、電話、オンラインなどの接触方法を決める
開設時期開設予定年月、開設年月日、変更理由、変更日新規開設・移転は初期導入、最近の変更は更新・切替を優先する開設準備向けか既存施設向けかを分ける
診療機能診療科、外来機能、在宅・地域連携、DX関連項目商材と関係する機能が確認できる施設を優先する提案テーマと最初の質問を一つに絞る
施設属性施設種別、病床数、運営者、人数、診療時間商材の導入規模や意思決定の進め方に合う施設を選ぶ連絡先、提案資料、確認相手をそろえる

この4軸を自社商材の選定基準にするときは、以下の項目を先に決め、その結果を営業リストの条件欄へ残します。

  • 商材の導入場面を新設・変更・既存施設の改善から一つ選ぶ
  • 対象都道府県・市区町村と訪問・導入支援の範囲を決める
  • 対象にする診療科・診療機能と、優先しない条件を決める
  • 施設種別・病床数・人数など、提案規模を判断する項目を選ぶ
  • 候補ごとに提案テーマと最初の確認質問を一つ記録する

地域は候補の密度と営業動線で選ぶ

地域条件は都道府県で止めず、市区町村まで落とし込みます。自社が訪問・納品・導入支援を行う商材なら移動時間、オンライン中心の商材なら接触件数と診療機能の一致を重視します。地域を広く取る場合も、最初から全施設へ連絡せず、条件が一致する候補の集まり方を比べます。

地域の外来機能を確認する材料として、厚生労働省の外来機能報告を参照できます。同制度は病院・有床診療所が対象で、無床診療所は任意報告です。対象施設では外来機能や連携に関する情報を地域判断へ使い、無床診療所では所在地、診療科、診療時間、開設年月日、機能関連項目を候補条件に加えます。

候補地域を次の3段階で比べると、どの市区町村から連絡するかを決めやすくなります。

地域の条件優先度次の営業動作
対応範囲内で、対象診療科・機能と開設時期の条件が合うA候補を抽出し、接触理由と質問を付けて最初に連絡する
対応範囲内だが、診療機能または時期の条件が一部未確認B追加項目を確認し、提案テーマを決めてから連絡する
所在地は対象だが、商材との関係を説明できる条件が少ないC営業リストに残し、A・Bの接触結果を見て次の対象にする

A地域として優先して連絡する候補を選ぶため、営業リストに次の項目を記録します。

  • 都道府県・市区町村
  • 条件に一致した診療科・診療機能
  • 市区町村ごとの候補施設数
  • 訪問順または電話・オンラインでの接触方法
  • 優先度と、その理由となる条件

地域名だけで優先順位を付けず、商材の条件に一致する施設がどの地域にまとまっているかを確認することが、移動や候補比較の手戻りを減らします。

開設時期・変更日を接触理由に変える

開設年月日や変更日は、施設の履歴として保存するだけでなく、初期導入を提案するか、更新・改善を提案するかを判断する項目です。開設前の候補では開業予定年月、施設名、住所、診療科、電話番号を記録し、開設後は実際の開設年月日、変更理由、変更日へ更新します。

開設時期を提案テーマと連絡内容に反映する手順は、次のとおりです。

開設・変更情報を拾う

開設関連情報と候補リストから、開設予定年月、開設年月日、変更理由、変更日を確認し、新規・移転・組織変更・運営者変更などの区分を記録します。

導入場面を分ける

開設前から開設直後の施設には初期導入や開設時の運用準備、最近変更があった既存施設には更新・切替・運用改善を提案テーマとして割り当てます。

接触理由を一文にする

開設時期または変更日と診療科を示し、初期導入なら診療開始に必要な準備、既存施設なら現行環境の更新や改善を提案する理由を書きます。

次の営業動作を記録する

開設・変更の時期、提案テーマ、最初の質問、連絡先、次回連絡日を一行で残し、開設準備向けと既存施設向けの営業リストを分けます。

たとえば開設前の施設には、開業予定時期に合わせて必要な商材を確認する連絡を入れます。既存施設の変更情報がある場合は、変更後の運用や更新計画を確認するきっかけにします。時期だけを伝えて終わらせず、提案テーマと質問まで一緒に記録することが重要です。

診療科・診療機能から提案テーマを一つに絞る

診療科は、施設ごとの営業仮説を作る起点です。診療科に加えて、DX、在宅、退院支援、地域連携などの機能項目を確認し、最初の連絡ではテーマを一つに絞ります。次の対応表を使うと、確認した項目から質問と提案の方向をそろえられます。

確認した項目営業仮説提案テーマ最初の質問
DX加算・情報通信機器加算など入力、情報共有、連携の運用改善を検討する余地がある電子化や業務運用を支援する商材現在のシステムと手作業の分担はどうなっていますか
在宅管理加算・退院支援・地域包括ケア・連携強化在宅・地域連携に関する記録や連絡の運用を確認する在宅・連携業務を支援する商材訪問先や関係先との記録・連絡はどのように管理していますか
診療科・診療時間・人数診療科に応じた設備、予約、業務運用の課題を確認する診療科または施設規模に合う商材忙しい時間帯に、担当者の負担が集中する業務は何ですか

公開項目は提案仮説として使い、初回連絡では現行の運用、導入時期、検討に関わる相手を聞きます。電話では、診療科や機能項目など確認した内容と、提案する理由を先に伝えます。

電話例:「内科で在宅対応の情報を確認し、訪問・地域連携の記録や連絡を支援するご提案でご連絡しました。現在、その業務はどのように管理されていますか」

初回確認質問は、次の順番で用意すると、回答に応じた次の連絡や提案まで決められます。

  • 現在の運用方法と、手作業が残っている業務
  • 導入または更新を検討する時期
  • 検討・決裁に関わる相手
  • 詳細説明や資料確認へ進めるための次回連絡日

現行運用の課題が聞けた場合は、その課題に合わせた提案資料やデモへ進みます。時期が決まっている場合は導入スケジュールを確認し、検討相手が別にいる場合は、要点を共有する相手と連絡方法を営業リストへ追加します。

営業リストは事実・仮説・接触結果を分けて更新する

営業リストは施設名と電話番号だけで完成させず、何を確認し、何を提案し、どこまで話が進んだかを一件ごとに残します。事実欄と営業判断欄を分けると、担当者が変わっても同じ接触理由で連絡できます。

  • 施設名、住所、市区町村、電話番号、FAX番号
  • 診療科、外来機能、在宅・地域連携、DX関連項目
  • 開設予定年月、開設年月日、変更理由、変更日
  • 施設種別、病床数、運営者、人数、診療時間
  • 出典URL、取得日、元データの更新日
  • 確認区分(確認済み・営業仮説・接触後更新)
  • 提案テーマ、接触理由、最初の確認質問
  • 接触結果、検討相手、次回連絡日、次の営業動作

公的情報の更新タイミングは提供元ごとに異なります。たとえば、関東信越厚生局の施設基準等の届出受理状況は、毎月10日・末日頃に掲載され、受付から掲載までの期間は概ね2週間から1か月、掲載期間は6か月です。このような更新周期を確認し、連絡前にリストの更新日と出典を見直します。

連絡前には、情報の更新状況と営業仮説を次の項目で確認し、確認結果を架電・訪問・次回フォローの判断に使います。

  • 出典URL、取得日、更新日を記録した
  • 住所、電話番号、FAX番号、施設の現存状態を確認した
  • 開設年月日、変更理由、変更日を提案時期と照合した
  • 診療科・診療機能と提案テーマが一致している
  • 接触理由と最初の確認質問を一文で用意した
  • 接触結果と次回連絡日を営業リストへ記録した

営業上の確度は、確認済み、営業仮説、接触後更新の区分で管理します。開設時期が近く、診療機能と商材が一致し、接触理由を説明できる候補から先に連絡し、回答や新しい変更情報が入ったら順位と提案テーマを見直します。

地域・開設時期・診療機能の候補抽出をGasoLeadで進める

GasoLeadは、全国から市区町村まで地域を指定し、クリニックの所在地、電話・FAX、診療科、管理者・開設者・運営者、診療時間、人数、開設年月日、変更理由、変更日などから必要な項目を選んで営業リストを作成できます。DXや在宅対応などの機能項目も候補を見比べる材料になります。

GasoLeadが減らすのは、営業先を探して項目を集める作業、複数のページを見て項目を転記・整形する作業、候補ごとに連絡先と提案テーマをそろえる作業です。営業担当者は地域を絞った候補を見比べ、商材に必要な項目を選び、優先施設へ接触理由と確認質問を付けて次の営業動作へ進めます。

電話・訪問で何を確認し、どの提案につなげるかに応じて、次の項目を選びます。

  • 電話営業・FAX・訪問営業では、所在地、電話番号、FAX番号、診療科、管理者、診療時間をそろえる
  • 医療DX・SaaSの提案では、診療科、開設年月日、変更日、DX関連項目、情報通信機器関連項目を加える
  • 在宅・地域連携の提案では、在宅管理加算、退院支援、地域包括ケア、連携強化などの項目を加える

GasoLeadから取得したCSVには、優先度、接触理由、提案テーマ、最初の質問、接触結果、次回連絡日を追加します。これにより、候補抽出で止まらず、どの施設へ何を提案するかを決めた状態で電話や訪問へ進めます。

GasoLeadでは、無料サンプルをプレゼント中です。

まとめ

クリニックの新規開拓営業では、商材の導入条件を地域・開設時期・診療機能へ分け、対応範囲内で条件が合う市区町村から候補を絞ります。開設前後や変更日には初期導入・更新・運用改善のどれを提案するかを割り当て、診療機能ごとに一つの提案テーマと最初の質問を記録します。

まず営業リストに、対象地域、開設・変更情報、診療機能、提案テーマ、接触理由、確認質問の列を用意してください。そのうえで優先度Aの候補へ連絡し、回答と次回連絡日を記録する作業から始めます。