新規開業した歯科医院へ営業したくても、「どこを見れば開設日を確認できるのか」「候補を集めても、どの医院から連絡すべきか決められない」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、直近12か月に開設された歯科医院を公開情報から探す方法、開設年月日を含む営業リストの作り方、商材と開業後の時期に応じた優先順位、連絡前の確認事項までを整理し、次に営業する歯科クリニックを選べるように解説します。
この記事の要点
開設年月日を基準に候補を集める
名称の新しさではなく、確認できる開設日・指定日を基準にします。
複数の公開情報を役割分担して使う
厚生局、医療情報ネット、公式サイトで確認できる内容は異なります。
新規開業だけで優先順位を決めない
地域、診療内容、連絡先、商材との相性を重ねて判断します。
開業後の時期で提案テーマを変える
開設直後と運用が定着した後では、検討しやすい課題が異なります。
新規開業は営業のきっかけになりやすい一方、すでに主要な設備やベンダーが決まっていることもあります。開設日を「未導入の証拠」ではなく、提案仮説を作る条件として使うことが重要です。
新規開業の歯科医院が営業先候補になる理由
歯科医院の開業時には、診療設備、歯科材料、電子カルテ、レセコン、予約システム、ホームページ制作など、多くの準備が並行します。開設後も、実際に運用して初めて見える受付負担、予約管理、情報更新、患者導線などの課題が出る場合があります。
ただし、「新規開業だから何でも売れる」と考えるのは危険です。開業前に導入済みの商材も多く、提案時期が遅いものもあります。営業先として評価するときは、次の条件を組み合わせます。
- 自社が対応できる地域か
- 商材と診療内容が合うか
- 開設からどの程度経過しているか
- 電話番号、FAX番号、ホームページURLなど連絡手段を確認できるか
- 公式サイトから運用状況の仮説を作れるか
- 新規開拓の対象から除外すべき既存顧客や取引先でないか
開業日は候補を見つける入口であり、実際の営業優先順位は商材との適合度で決めます。
新規開業した歯科医院を探す3つの方法
| 方法 | 確認しやすい情報 | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 厚生局の公開情報 | 保険医療機関の指定に関する情報 | 地域ごとの新しい指定先を確認する | 公開形式や更新時期が地域で異なり、歯科以外の情報を含む場合がある |
| 医療情報ネット・自治体情報 | 医療機関の基本情報、診療内容、所在地 | 候補の施設情報を補足する | 開設日と公開日が一致するとは限らず、項目の有無も異なる |
| 公式サイト・地図・検索 | 診療時間、休診日、ホームページURL、開院案内 | 連絡前の最新確認と提案仮説づくり | 網羅的な一覧作成には向かず、検索だけでは見落としが出る |
厚生局の情報は候補抽出に役立ちますが、指定日と実際の開院日が異なる場合があります。医療情報ネットでは診療内容や基本情報を補えます。公式サイトは現在の運用を確認するのに有効ですが、検索結果の表示だけで判断せず、ページ本文を開いて確認します。
自作する場合は、1つの情報源ですべてを完成させようとせず、候補抽出、基本情報の補完、営業前の最新確認を分けると作業しやすくなります。
GasoLeadで確認できる直近12か月の掲載状況
掲載件数
65,604件
- 直近12か月の新規開業
- 1,833件
- 東京都の直近12か月の新規開業
- 378件
- 大阪府の直近12か月の新規開業
- 167件
- 神奈川県の直近12か月の新規開業
- 142件
対象:全国の歯科医院・歯科クリニック 基準日:2026年7月1日
件数が多い地域が、自社にとって最優先とは限りません。訪問が必要な医療機器や歯科材料なら移動範囲、オンラインで提供できる予約システムやMEOなら対応エリアと営業体制を重ねて考えます。
開設年月日を含む営業リストを作る手順
対象地域と期間を決める
候補を抽出する
基本情報をそろえる
公式サイトで現在の情報を確認する
重複と表記揺れを整理する
商材に合う条件で優先順位を付ける
接触結果を記録する
公開情報をCSVへまとめる際は、元情報の列と自社が付ける営業評価の列を分けます。開設年月日や住所などの事実情報を上書きせず、優先順位や接触結果を別列にすると更新しやすくなります。
営業リストに入れたい項目
- [ ] 歯科医院名・歯科クリニック名
- [ ] 住所と地域
- [ ] 開設年月日
- [ ] 管理者、開設者・運営者
- [ ] 電話番号とFAX番号
- [ ] ホームページURL
- [ ] 診療内容、診療時間、休診日
- [ ] 歯科医師数、歯科衛生士数など商材に関係する情報
- [ ] 歯科DX、訪問歯科、CAD/CAMなどの公開情報
- [ ] 想定する提案テーマ
- [ ] 優先順位、最終接触日、次回連絡日
すべての項目を最初から集める必要はありません。テレアポが中心なら電話番号と診療時間、FAXDMならFAX番号、ホームページ制作やMEOならホームページURLと掲載内容など、使用するチャネルと商材から必要な列を決めます。
公開情報の収集と整形に時間がかかり、営業開始が遅れているなら、完成済みデータを使って候補選定へ進むほうが合理的です。
商材別に営業優先順位を決める
| 商材 | 優先して確認する条件 | 最初の提案仮説 |
|---|---|---|
| 電子カルテ・レセコン | 開設年月日、現在の受付・会計運用、更新時期 | 現行システムの運用負担や連携条件を確認する |
| 予約システム | 診療時間、電話予約、Web予約の有無 | 予約変更やキャンセル対応の負担を確認する |
| 医療機器・歯科材料 | 診療内容、設備情報、診療体制 | 追加導入、入れ替え、消耗品の見直し時期を確認する |
| ホームページ制作・MEO | ホームページURL、掲載内容、地域、診療内容 | 情報更新、地域からの発見、問い合わせ導線を確認する |
| 開業支援・SaaS | 開設後の運用、スタッフ体制、手作業 | 開業後に残った業務課題を確認する |
同じ新規開業の歯科医院でも、商材によって連絡理由は異なります。優先順位は「新しい順」だけでなく、商材との一致度、連絡可能性、提案の具体性で付けます。
開業後の時期に合わせて提案を変える
- 開設後0〜3か月
立ち上げ後の運用を確認する
主要設備やシステムは導入済みである可能性が高いため、最初から入れ替えを迫りません。予約、受付、会計、情報更新など、実際に運用して負担が出ている場面を確認します。 - 開設後3〜6か月
運用改善と患者導線を確認する
診療の流れが見え始める時期として、予約管理、ホームページ更新、MEO、スタッフ間の連携などを確認します。課題を決めつけず、現在の方法と見直し意向を聞きます。 - 開設後6〜12か月
追加投資や更新計画を確認する
開業時に見送った設備、追加の歯科材料、業務システム、訪問歯科など、新しい取り組みの検討余地を確認します。開設時の契約更新や予算時期が分かれば、次回フォローの根拠にします。
時期は一律の正解ではありません。開設からの経過期間を、質問と提案テーマを変えるための目安として使います。
連絡前に確認したい実務ポイント
よくある質問
まとめ
新規開業の歯科医院を営業先にするには、厚生局や医療情報ネットなどから候補を集め、公式サイトで現在の情報を確認し、開設年月日を含む営業リストへ整理します。
新しい医院から順に連絡するのではなく、地域・診療内容・商材・開業後の時期を重ね、提案理由を説明できる歯科医院を優先しましょう。